ここあい便り⑯ ~こころのあい流・やさしいアンガーマネジメント~
怒りがわいたとき、どうすればいい?
こころのあい流・やさしいアンガーマネジメント
はじめに
「イラッとして言わなくてもいいひと言を言ってしまった」
誰にでもある経験です。
怒りは自然な感情ですが、爆発させてしまうと後悔や人間関係のこじれを招きます。
今日は「怒りとうまく付き合うコツ」をやさしく整理してみましょう。
怒りの仕組みを知ろう
私たちが強く腹を立てるとき、その裏には「気づいてほしい」「わかってほしい」という願いが隠れていることが多いと言われます。
ところが、その気持ちを言葉にせず “察してほしい” と相手に期待するほど、ズレが大きくなり、怒りへと発展しやすいのです。
怒りは「期待が届かなかった」ときの赤信号
強い怒りの奥には、しばしば「相手はこうしてくれるはず」という期待があります。
話を最後まで聞いてくれると思ったのに、目の前でスマホをいじられた⇒「私の話を無視するなんて!」
時間は守って当たり前だと思ったのに、10分遅れて来られた⇒「待たされるなんて失礼!」
このように、期待と現実のズレが大きいほど怒りは強くなるものです。
今日からできる 3 つのコントロール術
期待を“見える化”して伝え方
✕「どうして分かってくれないの?」
〇「15分だけ静かに休みたいから、その間は声をかけないでくれる?」
してほしいことを具体的に言葉にすると、相手が動きやすくなりズレが縮まります。
ヒントで思い出してもらう
〇穏やかに「昨日お願いした件、覚えているかな?」と声をかけて記憶を呼び起こしてもらう。
クイズ感覚で“気づき”を促すと、お互いの気持ちが和らぎます。
“気づきやすい環境”を先に整える
〇大事な用件は口頭+メモ(付せんや共有アプリ)でダブルチェック。
〇伝達ミスを防ぐ仕組みをつくれば、怒りの火種自体が減ります。
こころのあいができること
・感情整理のお手伝い
・訪問時に「最近イラッとした場面」を振り返り、怒りの奥にある本当の期待を言葉にするサポートをします。
・コミュニケーション練習
・看護師や作業療法士とロールプレイで「期待の伝え方」を練習。
・家族との“ちょうどいい距離”調整
・家族にも怒りのスイッチや期待を共有し、役割分担や休息時間を再設定。
・主治医との連携~怒りが強まり睡眠や体調に影響している場合は主治医に状況を共有。
・薬の調整が必要かどうか、看護師と一緒に検討してもらいます。
まとめ
怒りは悪者ではなく、「私の期待がまだ届いていませんよ」というサイン。
サインを上手に届ける工夫をすれば、人間関係はぐっとスムーズになります。
「無理にがんばらなくて大丈夫」。
怒りで困ったときは深呼吸をして、こころのあいに相談してください。あなたのペースで、穏やかな毎日への一歩を一緒に探しましょう。
訪問看護ステーションこころのあい
所長・稲垣文雄
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