統合失調症・うつ病を中心とした
精神科特化型の訪問看護ステーション
「こころのあい」

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サービスのこと、日々のこと、様々な角度から思うことを発信しています。
実際に訪問看護を利用されている当事者やご家族様の声も掲載していますので、
これから訪問看護の利用を考えている方の参考になれば幸いです。

ここあい頼り㉖ ~クライシスプラン 状態の確認~

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2025.08.18

ここあい頼り㉖ ~クライシスプラン 状態の確認~

こんにちは。 こころのあいです。 今日はクライシスプランの中でも、 とても大事な「状態の確認」について。 信号機の色でイメージしやすくお話しします。 あなたの心にも“信号機”がある 信号機は、車や人がぶつからないように、 交通を整理する大事な役目を持っていますよね。 心の調子にも同じように 「進め!」 「ちょっと待て」 「止まれ!」 のサインがあるんです。 クライシスプランでは、 この3つの状態をこう表します。 ★青信号(安定) 元気に進める時期  例:気持ちが穏やか、人との会話も普通にできる、朝スッと起きられる、睡眠8時間くらい ★黄信号(注意) スピードを落として慎重になりたい時期  例:朝起きるのに時間がかかる、 人と話したくない日が増える、 音や光に敏感になる、 睡眠が不規則になる ★赤信号(要注意) 立ち止まって対処が必要な時期  例:眠れない、 不思議な声が聞こえる、 誰かに見られている気がして落ち着かない、 人を避けてしまう、 行動が止められない 実際のエピソード ある利用者さんは、 青信号のときは冗談好きで「本日は絶好調です!」 なんて笑いながら話してくれます。 ところが黄信号になると、 「朝からエンジンがかからない感じ。 少しずつ睡眠が不規則になり、 人と話すことが苦痛になってきます。」 そして赤信号になると、 「夜眠れない日が続いて、体調面も悪くなる。 嫌な幻聴が聴こえるようになり、 明らかに元気がなくなってしまいます。」 色を見分けるコツ 1・具体的に書く  「眠れない」ではなく 「5時間以下しか眠れない」 「0時を過ぎても眠れない」など、 数字や時間を使う。 2・自分の“独特なクセ”を見逃さない  たとえば、黄信号になると 「LINEの既読をつけたくない」 「冷蔵庫を何度も開けてしまう」 など、小さなクセもサインになります。 支援者と色を共有する  「今日は黄信号です」と伝えれば、 支援者もすぐに対応の準備ができます。 信号機を味方につけると… 信号の色を意識することで、 ・青の時間を長く保つ ・黄から赤になる前に減速して対応 ・赤のときは迷わず周囲に助けを求める …こんなふうに、自分の暮らしを守れるようになります。 車や自転車の運転で信号を無視すると危ないのと同じで、 心の信号も無視すると大きな事故(=症状悪化)につながります。 まとめ ・青=安定、黄=注意、赤=要注意で色分け ・自分だけのサインを具体的に決める ・色を意識すれば、症状の悪化をかなり防げる 次回は、「対処法の確認」についてお話しします。 訪問看護ステーションこころのあい 所長 稲垣文雄

ここあい便り㉕ ~クライシスプラン 目標の確認~

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2025.08.11

ここあい便り㉕ ~クライシスプラン 目標の確認~

こんにちは。 こころのあいです。 クライシスプランって何だろう? クライシスプランとは、 心の病気と上手に付き合いながら、 自分らしく生活を続けるための “自分専用の取扱説明書”のようなものです。 調子の良いときに、 「もし体調やメンタルが崩れそうになったらどうするか」 「どんなサポートがあると助かるか」を、 ご本人と支援者が一緒になって話し合い、 書き残しておきます。 私たちが風邪をひきそうなとき、 まず手洗いやうがいをして予防しますよね。 それでも熱が出たら薬を飲んで早めに休み、 悪化すれば病院へ行く。 心の病気も同じです。 予防、早めの対処、 そして悪化時の対応をあらかじめ決めておくことで、 不安定な状態を短くし、 安定した生活を長く保つことができます。 今回は、クライシスプランのなかでも最初のステップ、 「目標の確認」についてお話しします。 ①クライシスプラン 目標の確認。 まずは「目標」を確認することから クライシスプランを作るとき、 いきなり症状や薬の話から始めるわけではありません。 一番大切なのは、 「どんな生活を送りたいか?」 を明確にすることです。 穏やかで落ち着いた時間を増やしたい もう一度仕事や学業に挑戦したい 一人暮らしをしてみたい 大きな夢も、 小さな願いも、 すべて大切な目標です。 もし「目標なんて特にない」 と感じたときは、 「どんなときに心地よく感じるか」 から探してみましょう。 たとえば 部屋でコーヒーを飲みながら 好きな音楽を聴くとき。 仲の良い人と笑い合っているとき。 集中して趣味に没頭しているとき。 こうした時間は、 あなたの暮らしを支える “安心して過ごせる生活の軸”になるはずです。 小さな一歩で未来は変わる クライシスプランは、 完璧に仕上げなくても構いません。 「こんな生活を続けたい」 「この瞬間が心地よい」 それを言葉にするだけで、 もう一歩前に進んでいます。 来週以降のブログでは、 このクライシスプランの続きとして、 「状態の確認(安定・注意・要注意)」を、 現場の経験を交えてお伝えしていきます。 みなさんが、 自分らしい生活を長く守れるよう、 これからも全力でお手伝いしていきます。 訪問看護ステーションこころのあい 所長 稲垣文雄

ここあい便り㉔~なぜ「こころのあい」ではクライシスプランを大切にするのか~

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2025.08.04

ここあい便り㉔~なぜ「こころのあい」ではクライシスプランを大切にするのか~

こんにちは。訪問看護ステーションこころのあいです。 訪問看護を始めて丸5年。 これまで多くの方の暮らしに寄り添ってきましたが、 今年の7月、私たちは初めて複数の入院者を同時に抱えることになりました。 もちろん、入院そのものが悪いわけではありません。 ですが中には「入院したくない」「あのときの経験はつらかった」と、 過去の記憶から強い不安や拒否感を抱えている方も少なくありません。 実際、入院の必要があると判断された際は、 私が責任を持って病院とのやりとりやご家族との調整を行っています。 しかし、ご本人の意思が不明確なままだと、 どんな選択も“押しつけ”に感じてしまう可能性があります。 だからこそ、私たちは今年から、より一層「クライシスプラン」の活用に力を入れることにしました。 クライシスプランとは? クライシスプランとは、 「調子が悪くなり始めた時、 どう対処したいか」を事前に話し合い、 記録しておく計画のことです。 これは風邪と同じで、 「あ、熱っぽいな」と感じたときに、 早めに薬を飲んだり休んだりするのと似ています。 精神的な不調も、早めに気づき、 早めに手を打つことで、大きな悪化を防ぐことができるのです。 クライシスプランには、 どんなときに不調に気づくか(サイン) 自分でできる対処法 周囲にどうしてほしいか 入院や緊急対応時の希望 などが記されます。 本人の「希望」に基づいて決めていくことで、たとえ危機的な場面であっても、より安心感をもって対応ができるのです。 今年度からの取り組み これまでクライシスプランの作成がなかなか進んでいませんでした。 ですが、本年度からは方針を変え、 新しく訪問看護を開始する方はもちろん、 長年私たちと関わってくださっている方にも、 クライシスプランの作成をお願いすることにしています。 5年の実績を重ねてきたからこそ、 「予防的な支援」の大切さを痛感しています。 入院を完全に避けることは難しくとも、 「どんな入院なら納得できるか」「どう支援されたら心強いか」 ―― それをご本人と一緒に確認しておくことが、何よりも大事なのです。 これからしばらく、ここあい便りでもクライシスプランを深掘りしていきます クライシスとは“危機”という意味ですが、 もともとの語源には“転機”という意味もあります。 つらい状況の中にあっても、 人は立ち直り、前へ進む力を持っています。 クライシスプランは、その力を引き出すための道しるべです。 今後しばらく、こころのあいのブログでは、 このクライシスプランについてシリーズで取り上げていきます。 「どんなふうに作るの?」 「実際の例は?」 「家族の立場から見たクライシスプランとは?」など、 実際の現場で感じたことも含めて、わかりやすくお伝えしていく予定です。 ひとりでも多くの方が、 「自分らしく生きる」ための一歩を見つけられるように。 これからも、私たちはそのお手伝いをしていきます。 訪問看護ステーションこころのあい 所長 稲垣 文雄

こころのあいは設立6年目を迎えました

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2025.08.01

こころのあいは設立6年目を迎えました

2020年8月1日、利用者様3名から始まった、 こころのあいは、今日まで誠心誠意、心をこめて運営してまいりました。 看護師・作業療法士・事務員という小さなチームに、 医療機関や行政、地域の支援センター、 そしてご家族の皆さまが温かい手を差し伸べてくださったおかげで、 今では、100名を超える方々の地域での生活をサポートすることができています。 訪問を重ねるうちに、利用者さまとは喜びや悩みを分かち合えるようになり、 ご家族とは「たまには力を抜いて休みましょう」 と肩をそっと並べて笑える関係を築けました。 「自分らしく、無理にがんばらなくて大丈夫」 この考えを大切にし、 利用者様とともに歩んでいます。 こころのあいの理念は、地域にしっかり根を張り、 地に足のついた安定した経営、運営を行うことです。 地域に必要とされ、皆様から愛されるステーションを目指しています。 多くの利用者様が、「こころのあいの訪問看護と出会えて良かった」 と思ってくれるようにスタッフ一同、日々精進してまいります。 支えてくださるすべての関係者の方々に、 心より感謝を申し上げるとともに、 今後ともこころのあいをどうぞよろしくお願いいたします。 訪問看護ステーション こころのあい所長 稲垣 文雄