株式会社一期一会

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2025.08.04

ここあい便り㉔~なぜ「こころのあい」ではクライシスプランを大切にするのか~


こんにちは。訪問看護ステーションこころのあいです。

訪問看護を始めて丸5年。


これまで多くの方の暮らしに寄り添ってきましたが、

今年の7月、私たちは初めて複数の入院者を同時に抱えることになりました。

もちろん、入院そのものが悪いわけではありません。


ですが中には「入院したくない」「あのときの経験はつらかった」と、

過去の記憶から強い不安や拒否感を抱えている方も少なくありません。

実際、入院の必要があると判断された際は、

私が責任を持って病院とのやりとりやご家族との調整を行っています。


しかし、ご本人の意思が不明確なままだと、

どんな選択も“押しつけ”に感じてしまう可能性があります。


だからこそ、私たちは今年から、より一層「クライシスプラン」の活用に力を入れることにしました。

クライシスプランとは?

クライシスプランとは、

「調子が悪くなり始めた時、

どう対処したいか」を事前に話し合い、

記録しておく計画のことです。

これは風邪と同じで、

「あ、熱っぽいな」と感じたときに、

早めに薬を飲んだり休んだりするのと似ています。


精神的な不調も、早めに気づき、

早めに手を打つことで、大きな悪化を防ぐことができるのです。

クライシスプランには、

  • どんなときに不調に気づくか(サイン)
  • 自分でできる対処法
  • 周囲にどうしてほしいか
  • 入院や緊急対応時の希望

などが記されます。


本人の「希望」に基づいて決めていくことで、たとえ危機的な場面であっても、より安心感をもって対応ができるのです。

今年度からの取り組み

これまでクライシスプランの作成がなかなか進んでいませんでした。


ですが、本年度からは方針を変え、

新しく訪問看護を開始する方はもちろん、

長年私たちと関わってくださっている方にも、

クライシスプランの作成をお願いすることにしています。

5年の実績を重ねてきたからこそ、

「予防的な支援」の大切さを痛感しています。


入院を完全に避けることは難しくとも、

「どんな入院なら納得できるか」「どう支援されたら心強いか」

―― それをご本人と一緒に確認しておくことが、何よりも大事なのです。

これからしばらく、ここあい便りでもクライシスプランを深掘りしていきます

クライシスとは“危機”という意味ですが、

もともとの語源には“転機”という意味もあります。


つらい状況の中にあっても、

人は立ち直り、前へ進む力を持っています。

クライシスプランは、その力を引き出すための道しるべです。

今後しばらく、こころのあいのブログでは、

このクライシスプランについてシリーズで取り上げていきます。


「どんなふうに作るの?」

「実際の例は?」

「家族の立場から見たクライシスプランとは?」など、

実際の現場で感じたことも含めて、わかりやすくお伝えしていく予定です。

ひとりでも多くの方が、

「自分らしく生きる」ための一歩を見つけられるように。


これからも、私たちはそのお手伝いをしていきます。


訪問看護ステーションこころのあい

所長 稲垣 文雄

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