統合失調症・うつ病を中心とした
精神科特化型の訪問看護ステーション
「こころのあい」

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サービスのこと、日々のこと、様々な角度から思うことを発信しています。
実際に訪問看護を利用されている当事者やご家族様の声も掲載していますので、
これから訪問看護の利用を考えている方の参考になれば幸いです。

ここあい便り➀ 〜定期更新で最新情報をお届け〜

ここあい便り

2025.02.20

ここあい便り➀ 〜定期更新で最新情報をお届け〜

こんにちは。2020年8月1日の開設以来、利用者様、ご家族、地域の皆さまに寄り添いながら、訪問看護の現場での取り組みを続けてまいりました。 これまで十分に外部へ発信できなかったこころのあいの活動や利用者さまとの交流について、これから積極的にお知らせしていきたいと考えています。 定期的な情報発信について 今後は、ブログを週に1回のペースで更新し、以下の内容を中心に情報をお届けしてまいります。 現場での取り組み訪問看護の現場で行っている工夫や、スタッフが普段から心がけていることを具体的にお伝えします。 スタッフや利用者さまの声スタッフの思いや、利用者さまからいただいた声、また実際にあったエピソードをご紹介します。ご承諾いただいた内容のみを掲載しておりますので、安心してご覧いただけます。 最新の出来事や話題季節の変わり目に合わせた体調管理のポイントや、日々の訪問の中で感じたことを分かりやすくお伝えします。 利用者さまの作品紹介利用者さまの個性や才能を感じていただけるよう、ご本人やご家族の許可を得た上で、制作された作品やエピソードを掲載していきます。 今後は「ここあい便り」というキャッチフレーズを用いて定期更新していく予定です。 今後の展望 ブログを通して、医療機関の関係者や地域の皆さま、そして利用者さまやご家族の方々に、訪問看護の現場の具体的な取り組みや最新情報をタイムリーにお届けできるよう努めてまいります。 どうぞ、今後の「ここあい便り」にご期待いただき、温かく見守っていただければ幸いです。 訪問看護ステーションこころのあい所長 稲垣文雄

映画「どうすればよかったか?」を観て思うこと

ここあい便り

2025.02.19

映画「どうすればよかったか?」を観て思うこと

「どうすればよかったか?」 この映画のタイトルを見たとき、ふと胸が詰まるような感覚を覚えました。統合失調症を発症した姉と、その家族の20年間を記録したドキュメンタリー。精神疾患を抱える方やそのご家族にとって、これは決して他人事ではないはずです。そして私自身も、精神科訪問看護の現場に関わる者として、この映画が投げかける問いを、決して無視できないと感じました。家族として、支援者として、どう向き合えばよかったのか映画の中で描かれるのは、統合失調症という病気そのものではなく、それを抱えた**「一つの家族の物語」**でした。病気を受け入れようとする家族、受け入れられない家族、どう接すればいいのか迷う家族…。どの姿にも「正解」はなく、それぞれが懸命に悩みながら、何とかしようともがいている。「どうすればよかったのか?」 これは、精神疾患を抱えるご本人だけでなく、ご家族や支援者も常に自問自答している問いではないでしょうか。支援者として、私が感じたこと私は精神科訪問看護の仕事をしていますが、支援者だからといって「正解」を持っているわけではありません。• 病識のない方に、どのように病気のことを伝えるべきか• 介入を拒否する家族に、どう理解を促すべきか• 「本人のため」と思ってしたことが、かえって負担になっていないかこの映画を観ながら、これまで出会ってきた利用者様やご家族のことが、何度も頭に浮かびました。支援の形は一つではなく、時に迷いながらも、その方にとっての「より良い形」を一緒に探していくことが大切なのだと改めて感じました。「答えがない」ことを認める勇気 この映画が伝えたかったことの一つは、**「答えがないことを認めることの難しさ」**ではないでしょうか。精神疾患に関わると、「もっと早く病気に気づいていれば…」「あの時、違う対応をしていれば…」と、後悔の気持ちが生まれることがあるかもしれません。でも、過去を振り返っても、「こうすれば100%正しかった」という答えは見つかりません。大切なのは、「どうすればよかったか?」ではなく、**「これからどうしていくか?」**ではないかと思います。「失敗したとは思っていない」——この言葉の意味映画の終盤、藤野監督(弟)が、年老いた父親に問いかけます。「どうすればよかったのか?」父親は、しばらく考えた後にこう答えました。「失敗したとは思っていない」この言葉を聞いたとき、私は驚きました。私はてっきり、父親は後悔を口にするのではないかと思っていました。「もっと早く治療につなげていれば…」「もっと違う方法があったのではないか…」そうした後悔の念が残るのではないかと。しかし、父親は「失敗したとは思っていない」と言ったのです。この言葉には、とても深い意味が込められていると感じました。家族として、迷い、悩み、時には間違うこともあったかもしれない。それでも、「あの時の自分たちなりに、精一杯やった」という思いがあったのではないでしょうか。「どうすればよかったか?」と問い続けることは、時に自分を責めることにもつながります。でも、過去を振り返って「あれが精一杯だった」と思えたなら、それは「失敗」ではなく、その時その時の「最善の選択」だったのかもしれません。これからも、一緒に考えていく精神疾患を抱える方、ご家族、支援者、それぞれの立場によって、感じることは違うかもしれません。しかし、一つ言えるのは、「悩んでいるのは自分だけではない」ということです。そして、答えがすぐに見つからなくても、一緒に考え、歩んでいくことができるということ。この映画を通して改めて、精神科訪問看護の現場でできること、支援者としての在り方について、深く考えさせられました。この問いを胸に、これからも皆さまと共に歩んでいきたいと思います。